相続手続きって、何から始めればいいの?|行政書士が解説します

突然のご不幸や家族の大切な方が亡くなった後、相続手続きが待っています。
最初はその膨大な量に圧倒され、何から始めたら良いのか分からない方も多いのではないでしょうか。
相続手続きは、思っている以上に細かなステップがあり、タイミングを逃すと後々面倒なことになりかねません。しかし、すべての手続きを一度にこなすのではなく、段階を踏んで進めていけば問題ありません。
ここでは、初心者向けの相続手続きチェックリストをご紹介し、各ステップのポイントと注意点を丁寧に解説します。少しでも不安を解消し、落ち着いて手続きに臨んでいただければ幸いです。
- 相続手続きの全体の流れ(いつ・何をすればいいか)
- 忙しくても見落としにくい「チェックリスト」
- 専門家に相談するタイミングと、その目安
1.相続手続き、ざっくり全体像
相続手続きには、おおまかに次のような流れがあります:
- 死亡届の提出と火葬手続き
- 遺言書の有無の確認
- 相続人の調査(戸籍の取得など)
- 相続財産の調査(預貯金・不動産・株など)
- 相続人全員で遺産分割協議
- 財産の名義変更や相続税の申告
これらは「すぐ必要な手続き」と「ゆっくりでもよい手続き」に分けることができます。
まずは、焦らずひとつずつ確認していきましょう。
2. すぐに行うこと(死亡届〜遺言の確認)
■ 死亡届の提出
役所に「死亡届」を提出します。通常は火葬許可の手続きも同時に行います。葬儀社が代行してくれることも多いので、確認してみましょう。
■ 健康保険証・年金の手続き
故人が加入していた健康保険(国保・社保)や年金(国民年金・厚生年金)の資格喪失手続きが必要です。
■ 遺言書があるか確認
遺言書の有無は、相続の手続きに大きく関わります。
封印された遺言書が見つかった場合は、家庭裁判所で「検認」という手続きが必要です。
公正証書遺言がある場合は、すぐにその内容を確認しましょう。
3. 順を追って対応すること(相続人・財産の確認〜遺産分割協議)
■ 相続人の確認(戸籍収集)
相続人を確定するため、故人の出生から死亡までの戸籍をすべて収集します。
本籍地が複数にわたることもあるため、時間に余裕を持って対応したいところです。
■ 相続財産の調査
・預貯金の残高
・不動産(土地・建物)
・株式や投資信託
・借金やローンなどの負債
財産と債務を両方きちんと把握しておくことで、相続放棄などの判断にもつながります。
■ 遺産分割協議と書面の作成
相続人全員で、財産をどう分けるか話し合います。合意が取れたら「遺産分割協議書」を作成し、署名押印します。
4. 相続手続きチェックリスト
🔶 今すぐ必要な手続き(1週間以内)
- 死亡届の提出(葬儀社が代行することも)
- 火葬許可の取得
- 健康保険証の返却、年金停止手続き
- 遺言書の有無を確認(自筆証書遺言は家庭裁判所へ)
🔶 次に着手すること(2週間〜1か月以内)
- 相続人の確定(戸籍一式の取得)
- 財産の確認(通帳、不動産、証券類、借入金など)
- 財産目録の作成
🔶 ゆっくりで大丈夫な手続き(2か月〜)
- 遺産分割協議(相続人全員で話し合い)
- 遺産分割協議書の作成・押印
- 銀行口座の解約・払戻し手続き
- 不動産の相続登記
- 相続税の申告(必要な方のみ。10か月以内)
5.専門家に相談するタイミングと、その目安
相続手続きは、最初は「自分でやってみよう」と思う方が多いものです。
でも、次のような場面では、無理せず専門家に相談するのが安心です。
■ こんなときはご相談を
- 戸籍が複雑で、相続人をどう確定してよいかわからない
- 預貯金や不動産の名義変更の手続きがよく分からない
- 相続人が遠方にいて、連絡や書類のやりとりに不安がある
- 相続人同士で少し意見が食い違ってきた(でも、まだ争いというほどではない)
- 忙しくて、自分では調べたり書類を集める時間がない
■ 行政書士ができること
行政書士は、
- 戸籍の収集・相続関係説明図の作成
- 財産目録の作成
- 遺産分割協議書の作成(※争いのない場合)
- 金融機関や法務局等の提出書類の作成
- 他士業(司法書士・税理士・弁護士)との連携窓口
といった、相続にまつわる実務的な部分を丁寧にサポートできます。
6.まとめ:一人で抱えなくても大丈夫
相続手続きは、何度も経験することではありません。
わからないのが当たり前で、戸惑うのも自然なことです。
大切なのは、焦らず、無理せず、できることから始めること。
そして「誰かに頼ってもいい」と思えること。
行政書士ひだまり相談室では、「何から手をつけたらいいのか分からない」あなたに、やさしく寄り添うサポートを行っています。手続きの負担は、どうぞ私たちにお預けください。
行政書士ひだまり相談室は「遺言・相続手続き」の専門家として、他士業とも連携しながら相続手続きをまるごとお引き受けいたします。
お一人おひとりに真摯に向き合い、丁寧なヒアリングと分かりやすい説明を心がけていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。