終活は必要?準備する5つのことや始める時期について行政書士が解説
この記事では、終活の必要性や終活する上で準備するもの、始める時期について解説しています。2分で読める内容となっています。
終活とは
終活とは、簡単に言えば人生の最後に備えて「老い支度・死に支度」をしておくことです。自分の死を意識することによって、より充実した人生を送るための前向きなステップとして捉えられています。
なぜ終活が必要になったの?
なぜ、終活が必要になったのでしょうか。近年日本社会は大きく変わりました。核家族化や時代の変化によって、家族や地域とのつながりが薄れてきています。昔であれば、周囲に任せておけば安心して暮らすこともできていました。しかし、超高齢社会となった今では、望む最後を迎えるためには、自分で選択をしていく必要があるのです。
終活で必要な準備物5つ
終活には、エンディングノートの作成、財産の見直し、遺言書の作成、所有物の片づけ、デジタル資産の整理など、多岐にわたる活動が含まれます。これらの活動を通じて、自分自身の意思を尊重し、遺族に負担をかけないようにするとともに、家族とのコミュニケーションを深め、自分自身の人生について考える機会にもなります。
1.エンディングノート
エンディングノートの準備は、人生の終わりに向けた大切な作業です。まず、個人情報、医療・介護の希望、財産・保険の情報、葬儀・埋葬の希望、大切な人へのメッセージなどのセクションを設けたノートを用意します。これらのセクションに、できるだけ正確で詳細な情報を記入していきます。内容は定期的に見直し、必要に応じて更新することが重要です。
ノートの保管場所は信頼できる人に伝えておき、いざという時に見つけられるようにしておきましょう。また、法的な効力を持たせたい場合は、公正証書の作成を検討するのも良いでしょう。家族や近しい人とノートの内容について話し合い、理解を得ておくことも大切です。
このように丁寧に準備することで、自分の意思を明確に伝え、残された人々の負担を軽減することができます。エンディングノートは、自分らしい人生の締めくくりを実現するための重要なツールとなるのです。
2.財産の見直し
財産の見直しは、定期的に行うべき重要な作業です。まず、現在の資産と負債を全て洗い出し、正確な財務状況を把握することから始めましょう。預金、投資、不動産、保険、ローンなど、あらゆる項目を含めます。次に、収入と支出を詳細に分析し、家計の健全性を評価します。
これらの情報をもとに、長期的な財務目標を設定し、それに向けた戦略を立てます。資産配分の見直しや、不要な支出の削減、新たな投資機会の検討などが含まれるでしょう。また、税金対策や相続計画も考慮に入れることが重要です。
必要に応じて、ファイナンシャルプランナーや税理士などの専門家にアドバイスを求めるのも良いでしょう。最後に、この見直しの結果をもとに具体的な行動計画を立て、定期的に進捗を確認し、必要に応じて調整を加えていきます。このプロセスを通じて、より安定した財務基盤を築くことができるでしょう。
3.遺言書の作成
遺言書の作成は、自分の意思を確実に伝えるための重要な手続きです。まず、自分の資産を詳細に把握することから始めましょう。預金、不動産、株式、保険金など、全ての財産を洗い出し、その価値を明確にします。次に、相続人となる可能性のある人々を特定し、それぞれにどのような財産を遺したいかを考えます。
具体的な遺産分割の方法や、特定の遺贈(特定の人に特定の財産を与えること)についても検討します。また、未成年の子どもがいる場合は後見人の指定も必要です。自分の希望する葬儀や埋葬の方法についても記載することができます。
これらの内容を整理したら、公正証書遺言の作成を検討しましょう。公証役場で公証人の助言を受けながら作成することで、法的な有効性が高まります。遺言書の内容は定期的に見直し、必要に応じて更新することも大切です。遺言書作成の過程で、専門家のアドバイスを受けることも検討するとよいでしょう。
4.所有物の片づけ
終活に向けた所有物の片付けは、丁寧に進めることが大切です。まず、自宅全体を見渡し、部屋ごとに整理する計画を立てましょう。次に、各部屋の物を「残す」「捨てる」「寄付する」「売る」の4つに分類します。この過程で、思い出の品や重要書類は特別に扱い、適切に保管します。
不要なものは迷わず処分し、まだ使えるものは寄付や売却を考えます。特に価値のある物や思い入れのある品は、家族や友人に譲ることも検討しましょう。デジタルデータの整理も忘れずに行い、重要な情報は適切に引き継げるようにします。
この作業は一度には完了しないので、時間をかけて少しずつ進めることが重要です。また、思い出と向き合う機会にもなるので、焦らず自分のペースで行いましょう。整理が進むにつれ、心の整理にもつながり、新たな人生の段階に向けた準備が整っていくはずです。
デジタル資産の整理
デジタル資産の整理は、現代の終活において重要な要素です。まず、自分が所有するデジタル資産を洗い出しましょう。これには、オンラインバンキング、投資口座、ソーシャルメディアアカウント、クラウドストレージ、デジタル写真、音楽ライブラリー、電子書籍などが含まれます。
次に、各アカウントのログイン情報やパスワードを整理し、信頼できる人に引き継ぐ方法を決めます。デジタルエステートプランを作成し、各アカウントの扱い方(閉鎖、記念アカウント化、データのダウンロードなど)を指示しておくことも大切です。
重要なデジタルファイルは、バックアップを作成し、安全な場所に保管します。また、デジタル遺産の法的側面についても理解を深め、必要に応じて専門家に相談しましょう。定期的に内容を見直し、更新することで、自分のデジタル資産が適切に管理され、大切な人に引き継がれるよう準備することができます。
終活を始める時期
終活をすることで、死に対する不安を和らげ、残された家族への心配を軽減することにも繋がります。また、人生を振り返り、やり残したことやこれからやりたいことに対して新たな目標を立てることで、残りの人生を悔いのないものにすることができます。始める時期に決まりはありませんが、体力や気力が充実している状態で始めたほうがよいでしょう。
特に所有物の見直しは、40代から始めても早いことはありません。私より上の年代の方は、昔の写真を「老後の楽しみに取っておく」とおっしゃいます。しかし大量の分厚いアルバムが本当に必要でしょうか。正直なところアルバムを開くどころか、しまった場所から出してくること自体が億劫になってしまっているでしょう。
まとめ
終活は、一見縁起が悪いと感じるかもしれませんが、実際には日々を充実させて生きるために重要ことです。自分の価値観を再確認し、人生の質を高めることができる意義深い取り組みなのです。